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しまなみやまなみ県 in 森、道、市場
第1話「島を巡るサカナ」

2018


僕は何だかとても疲れていて、
もう何もかもどうでもいいやって気持ちになっていて、それで。
それで、「USHIO CHOCOLATL」#0のチョコレートを食べて
一眠りしたらサカナになっていた。


サカナか。鳥が良かったな。
でもまあ、天気もいいし、泳ぐのも気持ちいいだろうと海に向かった。
ほんと今日は日差しが強いなあ。
帽子でも買ってから行こう。
「藤井製帽」#1に行こうと思ったが、よくよく考えたら、
サカナにあう帽子は難しいと思い断念した。
それよりも、沖に出て小腹が空いた時に食べるパンでも買おう
(まだサカナ歴が浅いし、餌を探せる自信がなかった)。
「パン屋航路」#2に寄ったが閉まっていた。


なんだか体がカサカサしてきたので、
身支度よりも海水が必要なんじゃないかと思って、
早足で海に飛び込んだ。


どこまで泳ごうか。


そうだ、カツヲに会いに行こう。
僕は高知でカツヲを食べて以来大好きになり、
高知以外で食べないようにしている。
前に食べたのは4年ほど前だ。


尾道から西に泳いで広島に着いた。
宇品の港で一服しよう。サカナも喉は渇くらしい。
うまいコーヒーが飲みたいので「U-shed」#3に足を運ぶ。
お休みかな、いない。
仕方あるまい。


カフェインはサカナとの相性が良くなさそうだから
フレッシュジュースにしようと思い、
「Morning.JUICE STAND」#4まで足を伸ばす。
閉まっている。
サカナになってから、なんだかツイてないぞ、足が。
なんつって。


体がカサカサしてきた。
サカナは不便だなあ。
寄り道しないでカツヲを目指した。


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高知の海に着いた途端、僕の横を大きなカツヲの群れが横切る。
うわあ、待ちわびたカツヲだあ。
こんな近くでカツヲに遭遇できるなんて!


うーん、なんか違うなあ。
僕はカツヲが大好きだが、食べるのが好きだということに気がついた。


高知に来たので「まーさん堂」#5を訪ねた。ここのドーナツは絶品だ。
どうやらここも不在らしい。
サカナになった姿を驚かせようと思ったのに、残念だ。


太平洋は波が高くて気持ち良かった。


プカプカ浮いていたら眠たくなってきて(慣れないサカナの体に疲れもあったのだろう)
しばらく眠ってしまった。
ハッと目が覚めて飛び込んできた看板は「東京台湾」#6。
波にさらわれて僕はどこまできてしまったんだ。


台湾かと思ったらどうやらここは東京らしいので、少し安心した。
それでも遠くまで流されてしまった。
早く帰ろう日が暮れてきた。


大阪湾を抜ける頃、ソースの匂いが充満してきて
お腹が一気に減ってきた。
「南アジアカレーKA・ZE・DA!」#7の噂を聞いていたので探したが
見つからなかった。
大阪であってんのか?


もう、完全にカレーの気分なので岡山の「菜食印度カレー いなほ屋」#8に急いだ。
サカナであることを忘れて急いだ。
にも関わらず、休みだ。
なぜどこも休みなんだ。
サカナが血相変えて走ってくるから
みんなわざと閉店のフリしてるんじゃないか
(そりゃそうかもしれない)。
お腹が減るのはサカナも人間も関係ないよ。


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スネている僕に「自然食コタン」#9ヒデくんが声をかけてくれた。
なんと、みんな森道市場の出店に行っているらしい。
ヒデくんもこれから行くって。


そうか、みんな森道市場に行っているのか。
僕も早く帰って出かける準備をしないと。
あそこの会場なら海がつながっているし行きやすい。
サカナになって初めて得した気分だ。


ワクワクして踵を返す。
おっと危ない「寺園証太」#10の備前焼につまずいて
怪我するとこだった。


これは悠長に泳いで帰っている場合じゃないな。
僕は新幹線に飛び乗った。


「CHALKBOY」#11の乗ったボルボとすれ違う。
彼はきっと愛知に向かっている。
「白水麻耶子」#12の乗った空飛ぶホウキとすれ違う。
彼女もやはり愛知に向かっている。


やっとの思いで尾道に戻ってきた腹ペコの僕は
「拉麺またたび」#13の暖簾をくぐって一杯の拉麺をすする。
店主が僕を見ていい出汁が取れそうだと言った。ギョっとした。
「ホホホ座尾道店コウガメ」#14の亀ちゃんと待ち合わせをして
これから森道市場に行くらしい。


亀ちゃんの車が到着した。
僕も乗せてもらおうかな。


あ、亀になってる。


「では、森道市場で会いましょう」
僕らは海に飛び込んだ。


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